Vine Linux 1.0 リリースのお知らせ

1999年3月28日
Project Vine

 この度 Project Vine は、日本語環境を統合した Linux ディス トリビューション『Vine Linux 1.0』をリリースしました。

1 Project Vine とは

 Project Vine は、より良い日本語対応 OS をリリースするため に組織されました。メンバーは、はねひでや、すずきだいすけ、 にしいじゅん、松本庄司、竹田英二、武井和久より構成され、それぞれがLinux 各 方面で実績があるメンバーです。なお、全員が add on 型の日本語 アプリケーションパッケージの開発で実績のある PJE(Project JE) のメンバーであることも特徴です。

2 何故 Vine Linux なのか

 Vine Linux は、日本語環境を統合し、インストールからアプリ ケーションの利用までを初心者でも簡単に行うことができるよう考 慮した、Linux ディストリビューションです。
 Project Vine の個々のメンバーは、PJE における日本語パッケージの 開発に長い期間携わってきました。しかし、様々なディストリビューションの 各バージョンに完全に対応する日本語環境を提供するためには、大変な作業を必 要としながらも、十分な日本語環境の構築を行えないことを痛感しました。 そして、本当に利用者が使いやすい日本語環境を作成するためには、利用者で もあり開発者でもある自分たちが使いやすいディストリビューションを 開発する必要があると考え、Vine Linux の開発に着手しました。
 Vine Linux は、各メンバがPJEで養ったスキルを生かし、初心者でも快適な 日本語環境のインストール・使用を行えるように練り上げたディストリビュー ションです。日本語インストーラから主要コマンドの日本語対応といった細部 にいたるまで、徹底した日本語環境の融合を行なっています。

3 Vine Linux の特徴

 Vine Linux の主な特徴は以下の通りです。
  • RedHat Linux 5.2 ベース
     海外で最も広く利用されていると言われている RedHat Linux 5.2 がベースになっています。海外の商用アプリケーションは RedHat Linux を前提に開発されていることが多く、それらをその まま利用することができます。また、RedHat Linux の大きな利点 のひとつである完全なパッケージ管理を踏襲しています。

  • glibc2と日本語localeの採用
     国際化プログラミングを考慮した glibc2 と、glibc2 を日本語 locale 対応にする wcsmbs を採用しています。従来の標準的な日 本語環境である libc5+X_LOCALEで発生していた NetscapeCommunicator などでの日本語表示・入力・編集の不都合 が解消されます。また、国際化に考慮して開発されているOracle8 などの商用アプリケーションでそのまま日本語を利用することがで きます。

  • 日本語カタログの整備
     glibc2 の特徴を生かし、さまざまな主要コマンド(cp, mv, top, df, ps, ping,...他多数) には日本語カタログを用意しまし た。これにより、各種メッセージ等が 環境変数に応じて日本語や 英語で表示されるようになります。  また、日本語表示を好まな い方のために、日本語カタログの含まれていない rpm パッケージ も準備されてい ます。

  • 日本語アプリケーションソフトウェアの収録
     PJE をベースとした日本語アプリケーションの他、さらに日本語 化・国際化パッチの開発・収集を行い、多くの日本語対応アプリケ ーションを、インストール後ただちに使用することができます。加 えて、後述の Vine Tools、日本語 Netscape も即使用可能です。な お、標準のかな漢字変換システムには、かんなを採用しています。

  • Vine Tools
     Project Vine では、UNIX に詳しくない初心者にも簡単に使える、シンプル なアプリケーションソフトウェア(Vine Tools)を開発しています。Vine Linux 1.0 では、最も使用頻度が高いと思われる、 メーラ簡易エディタをまず収録しました。

  • 日本語インストーラ
     RedHat Linux のインストーラを日本語化し、さらに容易にイン ストールできるようにカスタマイズしたものを用意してあります。 もちろん英語ガイダンスによるインストールも可能です。

  • 日本語ドキュメントおよび日本語マニュアル
     JF プロジェクトによる日本語 Linux 文書、および、JMAN (Linux Japanese Manual Project), X Japanese Documentation Project による日本語マニュア ル・ ページを収録しています。標準的なコマンドの使用方法を日本語で閲覧 することができるほか、これらの文書のキーワード検索も行うことができます。

  • 国内のメジャーなプリンターの多くに対応
     Vine では、国内のメジャーなプリンタの多くに対応できるように、 独自情報を収集・作 成したプリントフィルターを多数追加しており、 簡単に設定を行えます。

  • コンパクトな配布パッケージ
     基本的なソフトウェアについては、バイナリ+ソースが 1 枚の CD-ROM に収まるように考慮されており、雑誌等付録への収録も容 易です。OS として十分に吟味された内容ですから、サーバ用とし ても十分に利用できます。もちろん Apache、Gimp、Netscape 等の 著名なソフトウェアも含まれています。
     また、さらに多くのアプリケーションをオプショナルの形で提供する予定です。

4 動作プラットホーム

 Vine Linux 1.0 は以下のアーキテクチャで動作します。
  • PC/AT 互換機
    推奨使用環境
    CPU i486DX66 以上
    メモリ 32MB 以上
    HDD EIDE/SCSI 1GB + スワップ領域
    (フルインストールで、約600M消費)
    CD-ROMドライブ ATAPI/SCSI
    ビデオカード http://www.xfree86.org/ 参照
    SCSI I/F Adaptec 29x0/39x0、Symbios53c8xx 等
    モニター 800x600 以上表示可能なもの
    プリンタ 国内の主なレーザ/インクジェットプリンタ
以下のアーキテクチャについては開発中です。1.0 以降のバージ ョンで対応する予定です。
  • Alpha PC
  • Sparc Workstation

5 配布について

 Vine Linux は以下の方法で配布します。
  • ftp
  • 雑誌/書籍の付録 CD-ROM
 また、特にセキュリティ等を考慮したサーバ・バージョンについ ては、別途計画中です。

6 製品版について

 Vine Linux に、商用 True Type フォントやユーザサポート等を付 加した OS 製品を、技術評論社より 5 月末に発売します。製品版 につきましては、 http://www.gihyo.co.jp/vinelinux/を参照願います。

7 連絡先

 Vine Linux 及び Project Vine に関する問い合わせは、
    Vine@flatout.org
までお願い致します。web ページは、
    http://vine.flatout.org/
となっています。
以上