シンボリック・リンク等を%postとかで張らない

間違えてもそれ(%postではったリンクなど)を%preunや%postunで削除してはいけない

シンボリック・リンクを含む全てのファイルを%installまででインストールして、 %filesに加えるべきである。

これは特に重要です。よく、%post で、シンボリック・リンクをはって、 %preun でそのリンクを削除するようなSPECファイルがあります。 これを行うと、アップデート時に問題が生じることがあります。以前、 libcのパッケージでこういう記述が入ってるものがあって、 深刻な問題が生じたこともありました。

その理由は、rpm -U <new-rpm> としたときに、

rpm -e <old-rpm>
rpm -i <new-rpm>
ではなく、
rpm -i <new-rpm>
rpm -e <old-rpm>
とはたらくためです。

つまり、%post で、シンボリック・リンクをはって、 %preun でそれを削除するような rpm のバージョンアップをしようと、 rpm -U (アップデート)を実行すると

  1. 新しいパッケージのインストールが行なわれ、 %postでシンボリック・リンクがつくられる。
  2. 古いパッケージのアンインストールが行なわれる。 このとき、%preunでさっき新しいパッケージが作ったシンボリック・ リンクが削除される。
この仕様は、libcとかのアップグレードの途中でlibcとかがなくなってトラブルが生じるのを避けようとしたためのものと思われます。

実はこの問題は解決法があります。 %pre, %post, %preun, %postunのスクリプト実行時には、スクリプトに対して以下の引数が与えられます。

  • rpm -iでインストールを行うとき

    %pre, %postに対して$1=1

  • rpm -Uでアップデートを行うとき

    • 新しいrpmのインストール時に、 %pre, %postに対して$1=2
    • 古いrpmをアンインストール時に、 %preun, %postunに対して$1=1
  • rpm -eでアンインストールを行うとき

    %preun, %postunに対して$1=0

すなわち、はじめてインストールするときには、引数として1がわたされ、 rpm -eでアンインストールするときには0がわたされるわけです。 これを利用すると、

%post
if [ $1 = 1]; then
	echo ``First installation!''
fi
%preun
if [ $1 = 0]; then
	echo ``Good bye!''
fi
とかできるわけです。 (それでも%postなどでシンボリック・リンクをはったりすると、 出どころ不明のファイルが増えることになります。その他トラブルをさけるため、 できるだけファイルは%filesに加えるようにし、 %postなどに書くスクリプトはできるだけ少なくしましょう)